常設展示の「戦後強制抑留コーナー」に展示している資料について紹介しています。
戦後強制抑留者とは
戦争が終結したにもかかわらず、シベリアを始めとする旧ソ連やモンゴルの酷寒の地において、乏しい食糧と劣悪な生活環境の中で過酷な強制労働に従事させられた方々です。

第三中隊人名簿 [だいさんちゅうたいじんめいぼ] 松本英太郎氏提供
昭和20(1945)年8月末、満州(現・中国東北部)で、作業大隊長が作成した名簿です。約1,000人を4個の中隊に編成しました。この名簿は、そのうちの第三中隊のものになります。





袖なしの防寒外套 [そでなしのぼうかんがいとう] 村田金悦氏提供
シベリアの冬は零下[れいか]30~40度になります。この外套の持ち主は、飢えに耐えかね、現地の労働者が持っていたパンと外套の袖を交換しました。

俘虜用郵便葉書 [ふりょようゆうびんはがき] 佐藤寿子氏提供
俘虜用郵便とは、抑留者と外部をつないだ郵便制度で、赤十字社などを通じて葉書をやり取りすることが出来ました。ソ連(現・ロシア)側の検閲があったため、最初の頃は全てカタカナで書くように指示されました。





死亡状況を伝える手紙 [しぼうじょうきょうをつたえるてがみ] 金子フミ氏提供
シベリアの収容所での厳しい生活環境の中で、衰弱死した男性の最期の様子を伝える手紙です。同じく抑留された男性がこの手紙を書き、死亡した男性の妻のもとへ送りました。この手紙が根拠となって、3年後に県から死亡告知書が届きました。
死亡状況を伝える手紙、死亡状況を伝える手紙(封筒)、死亡状況を伝える葉書、死亡通知書、写真。手紙: 昭和22(1947)年6月17日 / 死亡通知書: 昭和25(1950)年10月26日