1945(昭和20)年の夏、長く続いた戦争が終わりを迎えました。ソ連軍と戦っていた日本の兵士たちにも、ようやく帰国の時が訪れます。「トウキョウ、ダモイ(東京に帰す)」と言うソ連兵を信じた彼らがたどり着いた先は、日本ではなく、シベリアでした。そこで待ち受けていたのは、過酷な強制労働、厳しい寒さ、慢性的な飢え。シベリアのラーゲリ(収容所)で生き抜くには、体力を保持するだけではなく、「絶対に故郷に生きて帰る」という強い意志と希望を失わないことが非常に大切でした。極限の状況下にあった彼らの心を慰め励ましたもの―それこそが、娯楽と文化活動だったのです。
抑留者たちの娯楽と文化活動は非常に多彩です。手先の器用な者は麻雀牌や将棋の駒を手作りし、俳句を嗜む者は仲間を集めて句会を開きます。芸達者な者たちが集えば、楽劇団が結成されました。彼らは疲れている中でも稽古を重ね、そこにささやかな楽しみを見出しながら、同胞たちを励ます音楽や演劇を届けました。
本企画展では、手製の娯楽品や、楽劇団で使用した楽器、抑留中に描かれた絵画などを展示し、抑留者たちの文化活動の一端をご紹介します。絶望のラーゲリで、抑留者たちに生きる希望を灯し続けた「エンターテイメント」の数々をご覧ください。

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日 時 2024年1月16日(火)~4月14日(日)
9:30~17:30 (入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日の場合は火曜日)、2月4日(日)
※3月4日(月)に一部展示替えを行います。
会 場 平和祈念展示資料館 企画展示コーナー

企画展関連イベント(参加無料・予約不要)

ギャラリートーク
日時:1月21日(日)、2月18日(日)、3月17日(日)、各日とも11:00~、13:00~(約30分)
学芸員による展示解説を行います。

抑留体験者による語り部お話し会
シベリア抑留の体験者が自身の体験を語ります。各日とも14:00~(約60分)
1月21日(日) 成田富男さん
2月18日(日) 近田明良さん
3月17日(日) 西倉勝さん
抑留中に描いた絵画「遊ぶロシアの子供たち」(古田卓三)
沿海州楽劇団で使用されたギター
手製の将棋駒
抑留中に描いた絵画「夕ぐれの梳る娘」(佐藤健雄)
平和祈念展示資料館 (総務省委託)