思ひのままに一筆走らせました
別れてゐるとやはり
何かにつけ寂しくて
飛んで行きたい気持を
一生懸命抑へつけて ・ ・ ・

 昭和20(1945)年5月、従軍カメラマンとして最前線で活動していた小柳次一は、熊本県の健軍飛行場で義烈空挺隊に密着取材を行いました。隊員が出撃する直前までかたわらで過ごし、家族への遺書や手紙をしたためて爆撃機に搭乗する最期の姿を収めます。死地へおもむく隊員にカメラを向けるのはやるせないことでしたが、全てを記録しなければいけないと自分に言い聞かせて撮影しました。
 終戦から20年後の昭和40(1965)年、小柳は戦争写真展を開催し、義烈空挺隊の勇姿を公開します。それは、残された家族に対する自身のつとめであり、亡くなった隊員への鎮魂の想いでもありました。
 本企画展では、小柳の軌跡を振り返るとともに、当時の写真や手紙を通して、義烈空挺隊員の素顔に迫ります。

◆チラシPDF版はこちら

日 時 2023年10月3日(火)~2024年1月14日(日)
9:30~17:30 (入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日 ※10/9(月・祝)は開館
    10月10日(火)、12月28日(木)~1月4日(木)
会 場 平和祈念展示資料館 企画展示コーナー
義烈空挺隊(ぎれつくうていたい)
アメリカ軍占領下の沖縄北・中飛行場に強行着陸し、敵国の航空機や施設の破壊工作を行うために編成された部隊。昭和20年5月24日、熊本県の健軍飛行場から出撃した。

小柳次一(こやなぎつぐいち)
昭和13年から終戦までの長期にわたり、主に陸軍嘱託の従軍カメラマンとして、中国各地やフィリピン、九州の陸軍飛行場などで記録撮影を行った。

企画展関連イベント(参加無料・予約不要)

ギャラリートーク
日時:10月15日(日)、11月19日(日)、12月17日(日)、各日とも13:00~(約30分)
学芸員による展示解説を行います。

定期語り部お話し会
特攻訓練に従事した元兵士が自身の戦争体験を語ります。各日とも14:00~(約60分)
10月15日(日) 篠原吉宗さん 94歳
11月19日(日) 呉正男さん 96歳
12月17日(日) 上野辰熊さん 95歳

健軍飛行場の三角兵舎前にて(前列中央が小柳)
それぞれの故郷の方角に向かって最後の別れを告げる
搭乗機内で出撃待機する義烈空挺隊員
写真展で夫に“再会”した隊員の妻ともらい泣きをする小柳
出撃3日前に妻へ宛てた手紙
平和祈念展示資料館 (総務省委託)