平和祈念展示資料館では、第二次世界大戦における、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦について、国民の理解を深めるための活動の一つとして、他館と連携した交流展を行っています。令和5年度は、熊本県球磨郡錦町の錦町立人吉海軍航空基地資料館(愛称:山の中の海軍の町 にしき ひみつ基地ミュージアム)との交流展を開催します。
「人吉海軍航空基地」は、昭和18(1943)年に、九州山地にかこまれた、海のない人吉盆地につくられました。海軍飛行予科練習生への教育施設として運用が始まった人吉海軍航空基地は、2度にわたる空襲と戦況の悪化により、特攻訓練基地、本土防衛基地へとその役割を変えていきます。そして、基地の周辺には、本土決戦に備え、膨大な数の地下軍事施設が建設されていったのです。
本企画展では、人吉海軍航空隊の様子をとらえた写真や、今に残る地下軍事施設からの出土品など、ひみつ基地ミュージアムが所蔵する貴重な資料を通じて、山の中の海軍・人吉海軍航空基地についてご紹介します。

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日 時 2023年4月25日(火)~6月25日(日)
9:30~17:30 (入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日
会 場 平和祈念展示資料館 企画展示コーナー
主 催平和祈念展示資料館、錦町立人吉海軍航空基地資料館 

関連イベント


■ビデオ上映■ 毎日14:00~(ほかのイベント時を除く)
当時の人吉海軍航空基地を知る方々の証言映像を上映します。

石橋等さん(約15分) 4月25日(火)~5月27日(土)
石橋さんは、14歳で海軍に志願しました。佐世保海軍施設部養成所で1年間の教育訓練を受けたのち、人吉海軍航空基地の建設に携わりました。同基地で2度の空襲も体験しています。

永井美喜子さん、平山信子さん(約15分) 5月28日(日)~6月25日(日)
人吉海軍航空基地に関する女性たちの証言映像です。永井さんは、事務職として基地内で勤務しました。実家が基地の近くだった平山さんは、隊員との交流や空襲を体験しました。


■ギャラリートーク■ (約40分) 
5月3日(水・祝) 13:00~、4日(木・祝)13:00~
ひみつ基地ミュージアムの学芸員による展示解説を行います。


■講演会「ひみつ基地ミュージアムができるまで」■ (約60分)
5月4日(木・祝) 14:00~
出演:平本真子(ひみつ基地ミュージアム副館長)
地元住民による「人吉海軍航空隊を顕彰する有志の会」が行った遺構の調査から始まり、わずか3年後の平成30(2018)年にオープンしたひみつ基地ミュージアム。完成までの経緯や、展示に込められた想いを、同館の平本副館長に伺います。

人吉海軍航空隊 隊門(錦町立人吉海軍航空基地資料館 所蔵)
昭和19(1944)年に基地内で行われた餅つき
(錦町立人吉海軍航空基地資料館 所蔵)
海軍飛行予科練習生第一種軍装
(錦町立人吉海軍航空基地資料館 所蔵)
地下兵舎壕出土品(錦町立人吉海軍航空基地資料館 所蔵)

平和祈念展示資料館 (総務省委託)