帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)は、さきの大戦における兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦について多くの方に知っていただくため、全国各地で展示会を開催しています。
「平和祈念展in秋田」ではシベリア抑留体験者であり、帰国後は秋田で高校教師として教鞭を執った早田貫一氏が、自身の記憶をもとに描いた水彩画を紹介します。あわせて、過酷な抑留生活を耐え抜いた抑留者がラーゲリ(収容所)から持ち帰った日用品や防寒具を展示します。

◆チラシPDF版はこちら

日 時2025年9月29日(月)~10月7日(火)
10:00~18:00
会 場秋田県立美術館 1F 県民ギャラリー(秋田県秋田市中通1-4-2
入場料無料
主 催帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)、しょうけい館(戦傷病者史料館)、昭和館
後 援秋田県、秋田県教育委員会、秋田市、秋田市教育委員会、秋田魁新報社、NHK秋田放送局、ABS秋田放送、AKT秋田テレビ、AAB秋田朝日放送
協 力一般財団法人秋田県遺族連合会、一般財団法人日本遺族会第1ブロック
しょうけい館「戦傷病者の労苦を伝える―秋田展―」
体験記、義肢、証言映像という三つのテーマから、戦争に従事して怪我をしたり、病気になったりした人の労苦について紹介します。秋田県内の戦傷病者やそのご家族から寄贈された資料も展示します。

昭和館「ミニ展示 昭和のくらし―秋田展―」
戦争がもたらした苦難や昭和の人々のくらしを、実物資料とパネルがセットになった貸出キットを使って紹介します。
関係施設紹介:中国帰国者支援・交流センター
戦後、中国や樺太・旧ソ連に残留せざるを得なかった婦人や孤児等(中国残留邦人等)が、帰国後、地域で自立した生活を送るための支援として、国は、全国7か所に「中国帰国者支援・交流センター」を設置し、そのうち東北6県を所管する「東北センター」は宮城県仙台市にあります。中国帰国者の労苦と現在の様子、事業内容をパネルとチラシで紹介します。
早田貫一氏 略歴
1921(大正10)年、佐賀県小城町生まれ。
1943(昭和18)年11月、学徒出陣のため早稲田大学英文科在学中に徴兵。
1945(昭和20)年8月、琿春で終戦を迎え、ハバロフスク地方コムソモリスクに抑留される。
1948(昭和23)年7月、舞鶴へ復員。帰国後は、秋田県などで高校の英語教師として勤務する。
1970(昭和45)年頃から日曜画家として絵を描き始め、抑留体験に基づいた多くの水彩画を描く。
1991(平成3)~94年、秋田県生涯学習センターの水彩画講師として勤務。
2011(平成23)年、逝去。享年90。

「吹雪の中労働へ向かう」早田貫一
「飢餓」早田貫一
秋田出身の抑留者が持ち帰った作業用の手袋

空腹のあまり袖の部分をパンと交換した防寒外套
平和祈念展示資料館 (総務省委託)