戦争体験の労苦を語り継ぐために『平和の礎』選集5 デジタルブックを公開しました。兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者による手記集『平和の礎』から、若い世代のみなさまに読んでいただきたい6編を選び、読みやすく編集したものです。

公開に当たって、編著の神津良子さんと作画の北野美子さんからメッセージをいただきました。

編著 神津良子さん
 『平和の礎』選集4の公開はちょうど1年前のことになりますが、そのころに比べて世界の情勢はいちだんと悪化しています。市井のわたしたちがなにを言っても無駄なのだという無力感にさいなまれそうですが、それでもなお、よりよい未来のために声をあげつづけていかなければと思います。

 ――命はあらゆる可能性の源です。

 「あとがき」の一文に本書のすべてがこめられています。たったひとつ、一回だけ与えられた命と人生を奪うことはだれにも許されません。先人の歴史に学ぶことこそが希望への道と信じています。
作画 北野美子さん
 以前、百歳の百人の方々にアンケートを行なった、バラエティー番組を見ました。
 その項目の中に「これまで生きてきて1番嬉しかった事はなんですか?」という質問がありました。3位「仕事の事」2位「家族の事」そして1番多かった答えは・・・「戦争が終わった事」だったのです。
 「平和が当たり前」の時代に育った私。想像もしない1位に胸を突かれました。どうかこの体験談が先人の願いや、今も世界中にいる「平和を待ちわびる人々」に思いを寄せる、きっかけになりますように。

『平和の礎』選集5 デジタルブックはこちらNEW

平和祈念展示資料館 (総務省委託)